北海道教育大学岩見沢校の公益法人の簿記会計の集中講義の講師をしています。アートマネジメント専攻の学生が対象です。全員女性で、熱心に講義を聴いてくれます。
道教大岩見沢校は芸術とスポーツに特化されて、彼女達はその第一期生です。アートマネジメントでも音楽系のマネジメントを学んでいます。
私もNPOはまなすアート&ミュージックプロダクションの理事で、ここ3年ぐらい事務局長を兼務しています。岩見沢野外音楽堂キタオンでの野外コンサートやイベント、岩見沢市民会館まなみーるを中心に岩見沢市内でのコンサート、演劇公演、アートイベントを企画、運営をこのNPOで行っています。
簿記の話しは地味ですから、時々脱線して、コンサートの主催する体験を話したり、前回はサブプライム、金融危機の話しなどもしています。
先日札幌の紀伊国屋書店で「オーケストラの経営学」という本を見つけ、昨日読み終わりました。
本は6楽章からなっています。
第1楽章は、業界の特徴と規模がテーマ。オーケストラ業界の数や助成金の制度を日本と欧米各国と比較して語られ、業界の全体的な経営から見た状況、背景が理解できます。
第2楽章は、オーケストラの人々について。音大生の投資効果など楽団員を含めオーケストラの関係者のお金、生活、性格が分かります。楽器と演奏者の生活に関してのところは大いに笑わせてもらいました。例えば、ホルン奏者はこんな紹介をしている。
オーケストラで一番天国に行く確率が高いといわれている人。理由は、大切なところでソロのメロディーが多いため、オーケストラの全員から「音がひっくり返りませんように」といつも祈ってもらっているから。
第3楽章は、オーケストラの会計が書かれています。アメリカ、ヨーロッパ、日本のオーケストラの経営母体とコンサートの会計面からの内容になり、そのテーマが後半のマネジメント、経営に結びついていきます。
第4楽章は、オーケストラの経営戦略。ここから難しい話になりますが、トレードオフの分析を通じて、オーケストラの外部マネージメントについての話になります。専門的ですが、アート系のNPOの運営に関わる者にとっては、示唆に富んだ内容となっています。
第5楽章は、組織論、リーダーシップという観点から指揮者がテーマとなり、読んでいとても面白い章です。有名な指揮者の話しからプロフェショナル組織のリーダー像が理解できます。
第6章は、オーケストラの内部マネージメントについて、日本のオーケストラの今後のあり方がテーマです。オーケストラだけではなく、一般の企業にも通じる内容となっています。
著者は、京都産業大学経営学部准教授の大木裕子さん。ヴィオラ奏者として東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団に所属していた経歴があり、オーケストラの内側もよく知っていて、経営学など興味のない人にも面白い本です。
また、非営利組織の運営に関わる方には必読の書です。
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